手元供養について
子供さんを亡くされたお母さんから、ご遺骨と離れたくない等の理由でご納骨をためらっておられる旨のご相談をいただくことがあります。
子供さんに限らず、長年連れ添った夫婦であったり最愛の方の遺骨と離れられない方はたくさんいらっしゃいます。
また、納骨をためらっておられる方への、ご両親や親族等の周囲からの意見に、独り悩んでおられる方もおられます。
宝善院では、相談者と周囲の意向を加味しお話をします。その際、紹介しているのが「手元供養」です。
本項では、手元供養について書いてまいります。
手元供養とは
遺骨を自宅などに安置し、手元で故人を供養するものです。
手元供養の方法
手元供養には2つの方法があります。
1.ご遺骨すべてを自宅で供養する。
2.お寺に納骨されて、一部を手元で供養する。
宝善院では、基本的に2の後者を勧めております。お寺での法式に則った供養を行うのは、やはり大切なことです。亡くなられた霊が安らかにお眠りになられる為にもお願いしております。
分骨に抵抗のある方
分骨をされる事は何も問題ありません。古来より御本山に亡くなられた方の喉仏を納めるという例もあります。お釈迦様のご遺骨も、各世界のいたる寺院の「仏舎利」と呼ばれる塔や御堂に分骨されております。
注意すべきこと
ご遺骨は故人の最後の姿です。物ではありません。乱雑に扱ったり、失くしてしまうようなことが無いよう、覚悟を持って大切に手元にご遺骨を安置下さい。また、遠い将来に自分自身が亡くなった場合に、ご遺骨をどのようにするかを決め、周囲の方または菩提寺の和尚様に伝えておくか遺書等に記すようにして下さい。
ご遺骨の供養に悩んでおられる方。禅語の一つで【両忘(りょうぼう)】というものがあります。この語は、「その考えは間違っている。など、私たちの頭の中では、何でも白黒をつけて良い悪いと二者択一で物事を見てしまいがちです。そういった白か黒といった判断へのこだわりを忘れること」を意味するものです。ご遺骨の供養について、考えたり周囲の方と話し合う上で物事を決めつけていることはありませんか?一度こだわりを捨て、落ち着いて物事に向き合うと良いものが出てくるかもしれません。視野を広げる為にも、菩提寺の和尚様にご相談されることもお勧め致します。